HubSpotのCEOが語る「AI検索の台頭」と「SEOの“崩壊”」
AI時代のデジタルマーケ特集: 今するべきことは? 将来に備える姿勢は?【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]
世界最大手の顧客管理ソフトウェア企業であるHubSpot(ハブスポット)のCEOであるヤミニ・ランガン氏が、AIの普及に伴うマーケティングの変化をテーマにインタビューに応じた。
インタビューのなかから、「AI検索とSEOの終焉」のパートにフォーカスして見ていく。このトピックに関してランガン氏が語ったことの要約は、次のようなものだ:
「AIの台頭により、従来の検索エンジンは根本的な変革を迫られています。現在、グーグル検索の60%以上が、検索結果の上位に表示されるAI Overview(AIによる概要)によって直接的な回答を提供するため、ユーザーがウェブサイトのリンクをクリックする必要がなくなっています。これにより、グーグル検索と個々のウェブサイトとの間の伝統的なつながりが失われつつあります。
さらに、ユーザーは情報を探す際に、従来の検索エンジンを迂回し、「ChatGPT」や「Anthropic」のような生成AI(LLM)に直接質問を投げかけるようになっています。この新しい行動様式は、企業に「AI最適化」という新たな戦略を求めています。これは、特定の質問に対して的確な回答を用意し、その情報を複数のプラットフォームで繰り返し発信することで、LLMに発見されやすくすることを目的としたものです。
ハブスポット社自身もこの変化を予期しており、ブログからのトラフィックは減少しましたが、これは想定内のことでした。現在、コンテンツを起点としたリード獲得は、同社のマーケティング全体の需要創出計画の約10%を占めるに過ぎません。この変化に対応するため、ハブスポットは2021年から2022年にかけてコンテンツチャネルの多様化を積極的に進めました。具体的には、トップクラスのビジネス系ポッドキャストネットワークを買収し、「The Hustle」や「Mindstream」といったメールニュースレターを傘下に収めました。さらに、同社のYouTubeチャンネルは2000万人近くの訪問者を集めるまでに成長しています。
また、ハブスポットはAIをマーケティング活動そのものにも活用しています。ユーザーの意図に基づいてアウトリーチをパーソナライズすることで、コンバージョン率を80%~100%という驚異的な水準で改善させることに成功しています。これは、AIが検索行動の変化に対応するだけでなく、マーケティング効果を最大化するための強力なツールであることを示しています。」
ランガン氏が指揮するハブスポットの取り組みからは、「コンテンツチャネルの多様化がいかに重要か」が伺える。検索エンジンだけに依存してトラフィックを獲得する戦略は、リスクが高まっている。ハブスポットの事例のように、YouTube、ポッドキャスト、ニュースレター、SNSなど、複数のチャネルで情報を発信し、ユーザーとの接点を多様化させることが不可欠だ。また、トラフィックが減った分をコンバージョン率の向上で補うことも忘れてはいけない。
AI検索とSEOに関係するパートは15:50あたりから始まる。このパート以外にも、AIが急速に普及してきた現代のマーケティング業界における、ランガン氏の考察を聞ける。日本語字幕がついているので全体を視聴することをおすすめする。
SEOコンサルタントのまとめ
グーグル検索の60%以上が、検索結果の上位に表示されるAI Overview(AIによる概要)によって直接的な回答を提供[Web担当者Forum]
【白石】AIによって、過去よりサイトへのアクセスが減ってきております。
そこでSEOをどうになすることを考えるより、他のコンテンツを提供することに注力したほうが良いと考えます。
X,YouTube、TikTok、インスタなどです。