目次
YMYLサイトのためのE-A-T攻略法
YMYLサイトのためのE-A-T攻略法 from #PubCon Las Vegas 2019
E-A-T に対する誤解
E-A-T はあらゆるサイトで問題になるわけではない
たとえば、編み物をテーマにした個人ブログでは熱意は必要だろうが、専門性はなくてもかまわない。
芸能人のゴシップをテーマにしたサイトではもう少し専門性が求められるかもしれない。
ペットの健康を扱うサイトでは比較的高い E-A-T が必要になるはず。
がん治療のサイトでは E-A-T は決定的に重要。
現状はこのようなものだと思います。
ですがYMYLの定義が最近広がった事を考え、またユーザーの感情を考えると、どのジャンルでも「専門家」であることにこしたことはないと思います。
例えば上記芸能記事なんかにはよく「アイドル評論家の〇〇さん」とか「芸能ライター〇〇氏」とか出てきます。
さらに最近「〇〇芸人」とか増えてきています。
つまり何かしら、専門家ですよ、という肩書によりユーザーは信頼するという事です。Googleがどう思うかとは別の話です。
E-A-T は明確で、認められたランキング要因ではない
表示速度や HTTPS とは異なり、E-A-T は Google が認めたランキング要因ではない。
E-A-T とランキングの関係は間接的なもの。
いくつものアルゴリズムで、信頼性や権威性を判断している。
Googleはそう言っていますが、間接的にはランキングに関係すると考えています。
またランキングに関係しなくても改善すべき項目です。
E-A-T はテクニカル SEO の置き換えではない
E-A-T とテクニカルな SEO はともに必要。
E-A-T は 1 つの要素に過ぎない。
良質なコンテンツやバックリンク、優れた UX も併せて必要。E-A-T は簡単に修正できるものではない
E-A-T の問題を解決するには特効薬といったものはない。
E-A-T を確立するには、時間とリソース、忍耐が必要になる。
誰もが「時間とリソース、忍耐」を避けたいあまりにすぐテクニカルにはしる傾向があります。
E-A-T はすぐに結果が現れるものではない
canonical や noindex の設定ミスのような技術的な修正とは異なり、E-A-T を改善しても検索トラフィックがすぐに増えることは通常ない。
Google(とユーザー)に対するブランド信頼度を育てるには時間がかかる。評判を高めること、高評価レビューを獲得すること、価値があるリンクとサイテーションを集めることはまず必要なことで時間がかかるし、それを Google が評価するのにも時間がかかる。
E-A-T の分析
1. 負け組サイトの 51 % は 2017 年 3 月に実施されたコアアップデート(俗称 Fred Update)の影響も受けていた。
――2017 年 3 月に実施されたこのコアアップデートでは、次のようなサイトがターゲットになったと思われる。●薄っぺらいコンテンツ
●行き過ぎた収益追求(例: 目立ちすぎる広告や過多な広告、メインコンテンツと見分けがつかない広告)
●粗悪な UX
2. 勝ち組になった健康系サイト運営企業は負け組企業よりも 28 年社歴が長かった。
――勝ち組の健康系サイトは設立から何年もたっている企業が多かった一方で、順位を大きく下げた健康系サイトの多くは新しいブログや、もともとはメディアだったところがナチュラル系健康コンテンツを扱うようになったサイトだった。
「ドメイン」ではなく企業自体の社歴が長いほうが評価されるのか。。。
3. 記事ページに著者紹介が書いてある率が、勝ち組サイトは負け組サイトよりも 16 % 高かった。
やはり執筆者の記載は重要なんですね。
4. 勝ち組サイトは、本当の専門家を使っている率が 258 % 多かった。
――負け組サイトでも多くが著者紹介を載せていたが、よく調べてみると、医療・法律・金融など YMYL の分野では本当の専門性が著者に欠けていることが多かった。
「本当の専門家」をGoogleは見分けられるのでしょうか?
5. 勝ち組の健康系サイトでは、医療の監修者を使っている率が 34 % 高かった。
健康系サイトで「医療の監修者」は必須ですね。
6. 勝ち組の健康系サイトでは、編集方針を明確にサイトに掲載している率が 45 % 高かった。
7. 負け組サイトでは、医療関連のコンテンツを含むページに CTA (Call to Action) 要素を設置している率が 443 % 高かった。
※すずき補足: ここでの CTA は、資料の請求やダウンロード、会員登録などコンテンツを読み終わった後に(収益につながる)アクションを起こさせる要素と思われる。
バランスが難しいところですよね。
8. 同様に、負け組サイトでは、YMYL コンテンツにアフィリエイトリンクを設置している率が 117 % 高かった。
やはりアフィリエイト広告の設置はマイナスのようです
9. 勝ち組サイトの企業は、Wikipedia に掲載されている率が 21 % 高かった。
10. 勝ち組サイトの企業は、授与された賞や栄誉をはっきりと掲載している率が 850 % 高かった。
このようなアピールは必要ですね。
11. 勝ち組の健康系サイトは “HONcode Certified” である率が 213 % 高かった。
※すずき補足: HON Code(HON コード)とは医療情報ウェブサイトとしての信頼性を示す認証コードだそうです。12. 勝ち組サイトは、コンテンツ内から外部への引用へリンクしている率が 24 % 高かった。
13. 勝ち組サイトは負け組サイトよりも、Trustpilot のスコアが 1.9 ポイント高かった。
※すずき補足: Trustpilot は消費者による企業のレビューを集めるサイトだそうです。日本語サイトもありました。14. BBB の評価とは、勝ち組サイト・負け組サイトとも明確な相関関係は見られなかった。
※すずき補足: BBB (Better Business Bureau) とは、不正な広告,販売慣習から消費者を保護するため発足した業界の自主団体だそうです(コトバンクより)。15. 負け組サイトは、コメントやそのほかのユーザーが投稿するコンテンツを YMYL 系ページに含めている率が 90 % 高かった。
16. 勝ち組サイトは、Flesch-Kincaid readability スコアが 7 ポイント高かった。
※すずき補足: Flesch-Kincaid は英語の読みやすさを測る指標だそうです。17. Readable で計測すると、勝ち組サイトは YMYL コンテンツにおいて “very formal” な文体を使っている率が 728 % 高かった。
信頼性を高める例
勝ち組サイトがやっていた(ユーザーへの)信頼性を高める例:
●広告の掲載方針
●医療系記事のライターと編集者の一覧
●記事の編集方針
●絶えず、外部の文献を追加しファクトチェックしている
結論
●YMYL コンテンツは次のようであるべき
・エビデンスに基づく
・客観的
・徹底的
・十分な調査に基づく
●高品質なサイテーション(他のサイトへのリンク)をコンテンツに含め、信頼できるソースからの事実で自分の意見を補強する
●著者紹介だけでは不十分――理想は、(YMYL コンテンツにおいては)著者が真の専門家であること
●YMYL コンテンツでは、アフィリエイト リンクや何かを売ろうとする言葉を避ける
●編集方針を維持し、広告掲載方針を明示する
もはやEATの対策は著者情報、会社情報の明記だけでは不十分かと思います。