コアウェブバイタルが悪いページはサイト内の別ページにも悪影響を与えるかも
コアウェブバイタル(CWV)は、思ったよりもしっかりと意識して対応しておくのがよさそうだ。というのも、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように発言していたからだ:
『コアウェブバイタルの評価はページ単位だが、評価が悪いページがサイト内の他のページにも悪影響を及ぼすことがあるかもしれない』
コアウェブバイタルは「ユーザーのページ訪問体験」を測る新しい指標で、来年のどこかのタイミングでグーグル検索のランキング要因になる予定だ。
ランキング要因としてのコアウェブバイタルは、Chromeユーザーエクスペリエンス レポートがもとになる。これは、ページを実際に訪問したChromeユーザーのデータだ。特定の条件で計測したものではないので価値が高いのだが、弱点もある。Chromeユーザーのデータが十分に集まっていないページに関しては、コアウェブバイタルを適切に評価できないのだ。たとえば次のようなページがそうだ:
●新たに公開したばかりのページ
●アクセスがほとんどないページ
こうしたケースでは、そのサイトの総合的なコアウェブバイタルから推測してデータがないページのコアウェブバイタルを評価することがありうる。コアウェブバイタルが悪いページばかりのサイトであれば、本当は悪くないページも同類扱いされる可能性があるということだ。
少し脅したが、とはいえそこまで神経質になることはない。というのも、こうしたデータの扱いに関してミューラー氏は次のように言っているのだ:
『サブディレクトリやサブドメインの範囲で類似ページをまとめるだろう。』
例で解説しよう。次のような状況を考えて見てほしい。
サイト内に「情報ページ」と「掲示板」があり、掲示板は /bbs というディレクトリで URL を分けている。
情報ページはモダンで閲覧も快適であり、コアウェブバイタルの数値は良好。
掲示板のシステムが古くて表示が遅かったり閲覧中にレイアウトがずれたりするので、コアウェブバイタルの数値が悪い。Chromeユーザーエクスペリエンスレポートのデータが足りないページがこのサイト内にあった場合、どう判断されるだろうか。
そのページが掲示板にある(/bbs 以下のディレクトリにある)場合、そのページも他の掲示板ページと同様にコアウェブバイタルが悪い可能性が高いとグーグルは判断するかもしれないのだ。
一方で、そのページが情報ページのグループだった場合、他の情報ページと同様にコアウェブバイタルが良い可能性が高いとグーグルは判断するかもしれない。
グーグルはなるべく細かな粒度でコアウェブバイタルを判定しようと試みるようだ。この点は安心だ。
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