グーグル主催の検索イベントで得たAI関連の学び×5
「こんなコンテンツはダメ」グーグル評価の傾向を50サイト分析データに学ぶ【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]
2025年4月9日にスペインのマドリードでGoogle検索チームがSearch Central Liveを開催した。このイベントに参加していたアレイダ・ソリス氏が、AI関連のセッションハイライトを自身のブログにまとめてくれたので紹介する。
※筆者補足: アレイダ・ソリス氏は世界的に名が知られたSEOコンサルタント
ソリス氏による情報は、次のような内容だ:1. グーグルの目標、使命、焦点は変わっていない
▼グーグルの使命は「ユーザーにとって最善の情報を提供すること」であり、他のことが変化する可能性はあってもその使命は変わらない ―― そのことをグーグルは明確に示した。したがって、他のいかなる変化やトレンドにもかかわらず、それを考慮に入れることが不可欠である。▼「検索は解決済みの問題ではない」ことも述べられた。新しいプラットフォーム、新しいユーザーの好み、新しい技術が出現している。
▼グーグルは検索を通じてウェブに価値を提供してきたし、これからも提供し続ける(トラフィックやGSC、GAなどのツールを介して)。ウェブユーザーとウェブエコシステムへの価値である。
2. AIコンテンツに対するグーグルの扱い
▼グーグルは現在、品質評価者に対して「ページのメインコンテンツが自動生成またはAI生成であるかどうかを評価する」よう求めており、もしそうであれば最低評価となる。下の画像に強調で示した検索品質ガイドラインのとおりだ。
※筆者補足: 検索品質ガイドラインの該当部分、日本語訳すると「ページ上のすべてもしくはほぼすべてのメインコンテンツが自動あるいはAIで生成されていた場合は、最低の評価が適用される」といったところだ。▼「AIがGoogle Discoverに組み込まれるかどうか」をある人が尋ねたところ、グーグルは、次のように述べた:
Discoverはクエリ中心の体験ではないため、「AIによる概要」は意味がない。しかし機能としては使用できる可能性がある。
ただし、現時点ではその点に関して発表することはないとのことである。
3. 「AI検索」と「AIによる概要」の仕組みと最適化方法
▼ジョン・ミューラー氏は、次の点を説明した:・グーグルがRAGを使って検索にLLMを統合する方法
・「AIによる概要」でグラウンディングがどのように機能するか
※Web担編注 AIにおける「グラウンディング」は、「根拠をもって回答するための裏付け処理」といった意味あい▼グーグルは「AIによる概要」を検索機能と見なしているため、「robots metaタグのnosnippet設定を使ってAIによる概要からオプトアウト」できることと、その方法も説明した。
▼「グーグルのAI機能に対して特定の最適化アクションは必要ない」ことも明らかにされた。まだ新しく、ユーザーの行動が大きく変化しているためである。
▼グーグルは、「構造化データを使用すること」をAI検索の世界においても推奨している。その際に、効率的、正確、かつ読みやすく、実際に検索結果ページに表示されるサポートされた要素に焦点を当てるべきだ。
▼「LLMs.txt」について尋ねられた際、ミューラー氏は、次のように答えた:
「それが意味を持つのは、システムがあなたのサイトについて知らない場合のみだ。短期的には意味があるかもしれない。しかしグーグルはすでに多くのデータ(つまりサイトの実際のコンテンツ)を持っている。そのため、グーグルがLLMs.txtを考慮に入れるとは期待していない。」現時点では、どのAIシステムが実際にそれを使用しているかは把握していないとのことである。
▼「robots.txtにおけるグーグルの拡張機能が、GeminiおよびVertex AIのトレーニング用にコンテンツを制御する方法」も説明された。これはクローラーではなく、検索のインデックス作成やランキングには影響しないユーザーエージェント名であることが明らかにされた。
4. AIOとGemini検索の監視と追跡
▼質問の1つは、「Search Console経由で『AIによる概要』を追跡できるようになるか」ということであった。しかし、グーグルの担当者は、次のように回答している:「現時点でSearch Consoleのパフォーマンスレポートにおいて考慮されているが、内訳は表示されていない。」
段階では、AIOの露出は変動的であるため、「詳細な情報を表示すると、助けになるよりも混乱を引き起こす」と考えているとのことである。
▼次の点について尋ねてみた:
「特にAIモードの統合に伴い、Geminiの使用状況と検索行動に関するデータを取得し、従来の検索との影響や重複について情報を得る方法があるか?」
回答は、「プライバシーに関する影響やその他の基準のため、まだ計画されていない」とのことだ。将来的に、異なる行動やより広範なトピックが見られれば可能性があるかもしれないが、現時点ではないとのことである。
5. LLMとSEOの未来
▼SEOは引き続き重要であり、クローリングやインデックス作成などの基礎的な作業はなくならない。▼AIはデジタルマーケティングに取って代わるものではなく、既存のものにさらに追加するものである。
▼我々には、SEOの経験を新しいAI技術に応用する機会がある。
◇◇◇
AIの発展と組み込みにより、グーグル検索は大きく変化している。しかし、従来のSEOがまったく古くなり役に立たなくなったということでは決してない。ユーザーの役に立つコンテンツを提供し検索エンジンフレンドリーなサイトを構築するというSEOの本質は、今後も重要だ。
SEOコンサルタントのまとめ
■「LLM」について
LLM は、Large Language Model の略で、日本語では「大規模言語モデル」と訳されます。これは、自然言語処理(NLP)に用いられる人工知能(AI)モデルの一種で、膨大な量のテキストデータから学習し、文章を理解したり生成したりする能力に長けています。
【Googleの目標、使命、焦点は変わっていない】[Web担当者Forum]
▼グーグルの使命は「ユーザーにとって最善の情報を提供すること」であり、他のことが変化する可能性はあってもその使命は変わらない ―― そのことをグーグルは明確に示した。したがって、他のいかなる変化やトレンドにもかかわらず、それを考慮に入れることが不可欠である。
【LLMとSEOの未来】[Web担当者Forum]
▼SEOは引き続き重要であり、クローリングやインデックス作成などの基礎的な作業はなくならない。