生成AIとグーグル検索、コンバージョン率が高いのはどっちからのトラフィック?
生成AIとグーグル検索、コンバージョン率が高いのはどっちからのトラフィック?【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]
大規模言語モデル(LLM)プラットフォームなどの「生成AI経由のトラフィック」と、グーグルなどの「オーガニック検索経由のトラフィック」で、コンバージョン率はどう違うのだろうか?
SALT.agency(ソルト・エージェンシー)が調査し結果を公開した。
まず、2024年3月以降、生成AIサービスからの参照トラフィックが一貫して増加傾向にあることがわかった。これは生成AIツールの広範な採用と、引用および直接参照としてのリンクの組み込みが増加したことに起因すると考えられる。ChatGPTが断トツのトップで、Perplexityも成長を示している。
業種ごとのKECVR※比較が次の表だ。KECVRが高い方を強調表示してある
※「KECVR」は、「キーイベントコンバージョン率(Key Event Conversion Rate)」を意味するもので、元記事筆者の造語。いわゆる「コンバージョン率」ではなく、Googleアナリティクスに設定した「キーイベント」の、セッションに対する発生率と考えてよさそうだ。
種別 生成AI経由 オーガニック検索経由 一般情報 49.44% 54% 自動車 0.24% 0.41% B2B Eコマース 2.62% 2.68% B2Bサービス 2.77% 3.01% キャリア 22.31% 16.58% カタログウェブサイト 2.34% 2.13% 消費者向けEコマース 17.56% 24.12% 教育 1.89% 3.97% 健康 13.24% 12.88% 人事 2.17% 8.99% 高級品 1.99% 2.13% 製薬 4.06% 8.29% 出版 10.49% 6.57% 不動産 6.25% 2.71% SaaS 6.69% 6.71% 通信 5.73% 7.35% 旅行 24.25% 28.97% ほとんどの業種において、「オーガニック検索経由トラフィックのKECVR」が「生成AI経由トラフィックのKECVR」よりも高かった。これは、オーガニック検索経由で訪問したユーザーの方が、ウェブサイト上で有意義なエンゲージメント(コンバージョン)を行う可能性が一般的に高いことを示唆している。
ただし、生成AI経由トラフィックのKECVRがオーガニック検索経由トラフィックのKECVRを上回る例外もあった。5つの業種を抜き出して再掲する(生成AIのKECVRが検索に対して高かった順に示している)。
業種 生成AI経由 オーガニック検索経由 生成AIの対検索KECVR比率 不動産 6.25% 2.71% 230.62% 出版 10.49% 6.57% 159.66% キャリア 22.31% 16.58% 134.55% カタログウェブサイト 2.34% 2.13% 109.85% 健康 13.24% 12.88% 102.79% いくつかの業種について、次のように分析している(以下で、「生成AI」は「生成AI経由トラフィックのKECVR」を、「オーガニック検索」は「オーガニック検索経由トラフィックのKECVR」を意味する):
●消費者向けEコマース ―― 生成AIはオーガニック検索と比較して大幅にパフォーマンスが低かった。これは、ユーザーが詳細な製品情報、レビュー、価格設定を求めており、その点でオーガニック検索が優れているためだと考えられる。
●旅行 ―― 生成AIは良好なパフォーマンスを示したが、依然としてオーガニック検索には及ばなかった。オーガニック検索は、視覚化や予約決定を助ける豊富なキュレーションコンテンツに好まれるが、生成AIは初期段階での推奨を提供する可能性がある。
●SaaS ―― 生成AIはオーガニック検索とほぼ同等であり、生成AIトラフィックがほぼ同じくらい効果的であることを示唆している。これは、オーガニック検索からの信頼できる製品詳細とともに、パーソナライズされたガイダンスの価値によるものかもしれない。
キーポイントをまとめる:
●オーガニック検索がエンゲージメントで優位 ―― 一般的に、オーガニック検索からアクセスするユーザーは、生成AI経由のユーザーと比較して、ウェブサイト上でより高いエンゲージメント(キーイベントコンバージョン率)を示す。
●例外の業種 ―― 健康、キャリア、カタログサイト、出版、不動産といった特定の業種では、生成AI経由のトラフィックのほうが高いエンゲージメント率を示した。
●生成AIトラフィックは増加中 ―― 生成AIからの参照トラフィックは着実に増加しており、ChatGPTが主要なソースとなっている。
●コンテンツの具体性が重要 ―― 消費者向けEコマースやB2B Eコマースのような取引型セクターでは、ユーザーが詳細で具体的な情報を求めるためオーガニック検索が優れている。いっぽう生成AIは、教育コンテンツや初期ガイダンスに適している可能性がある。
SEOコンサルタントのまとめ
【生成AI経由のトラフィックとオーガニック検索経由のトラフィックのコンバージョン率】[Web担当者Forum]
ほとんどの業種において、「オーガニック検索経由トラフィックのKECVR」が「生成AI経由トラフィックのKECVR」よりも高かった。これは、オーガニック検索経由で訪問したユーザーの方が、ウェブサイト上で有意義なエンゲージメント(コンバージョン)を行う可能性が一般的に高いことを示唆している。
【生成AI経由のトラフィックとオーガニック検索経由のトラフィックのコンバージョン率】[Web担当者Forum]
<生成AI経由トラフィックのKECVRがオーガニック検索経由トラフィックのKECVRを上回る例外>
[生成AI経由] 6.25%【不動産】2.71%[オーガニック検索経由]
[生成AI経由] 10.49%【出版】6.57%[オーガニック検索経由]
[生成AI経由] 22.31%【キャリア】16.58%[オーガニック検索経由]
[生成AI経由] 2.34%【カタログウェブサイト】2.13%[オーガニック検索経由]
[生成AI経由] 13.24%【健康】12.88%[オーガニック検索経由]