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【誹謗中傷・逆SEO】漫画「外道の歌」…アイドルストーカー編2話感想
漫画「外道の歌」の新シリーズが「アイドルのストーカーがSNSで誹謗中傷する話」となっており、
誹謗中傷対策と関連性が高く興味深いので紹介いたします。今回は「アイドルストーカー編」の2話です。
「外道の歌」とは?
「外道の歌」とはヤングキングに連載されている渡邊ダイスケ氏の漫画です。
第1部は「善悪の屑」というタイトルで、実写映画化が決定している大ヒット漫画です。
私は渡邊ダイスケ氏の「スフェリコン」からのファンで、単行本は全て購入しております。
発売中のヤングキングにて「外道の歌」掲載されてます。何がキッカケで当事者になるのか、なってみるまで誰にも分からない。「ネットストーカー編」はじまりです。 pic.twitter.com/RCkG3BxfHg
— 渡邊ダイスケ「外道の歌」連載中 (@daisukoi) 2018年5月29日
実は先日、渡邊ダイスケ先生のツイッターにて前回の記事
を報告したらお返事を頂く事ができました。
拝見しました。
ご紹介いただき、ありがとうございます。
僕自身、こういう問題に対しては素人なので、それこそネットや本の読みかじりの知識で描いたものなので恐縮です。
間違った情報や解釈などがありましたらご指摘頂けると幸いです。— 渡邊ダイスケ「外道の歌」連載中 (@daisukoi) 2018年6月7日
しかも、記事を読んで頂いたとのことで、大変光栄です。
「外道の歌」「アイドルストーカー編」1話内容
▼前回「アイドルストーカー編」1話内容はこのようなものでした。
【誹謗中傷・逆SEO】漫画「外道の歌」…アイドルのストーカーがSNSで誹謗中傷する話。
女性が語る。
山里かんな「1年前までアイドル活動をしていました」
「ライブやネットでの活動が主なものでした」
「一人とても熱烈な信者・・というかファンの人がいて」
「毎日のようにブログやSNSにコメントを書き込んで」
「感想やアドバイスとか・・ダメ出し的な事とかも」
「慣れてしまったというのもあって私も」
「つい雑な返事とかするようになってしまったんです」
「しばらくしてエゴサーチしていると」ツイッターの投稿。
「山里かんな、中の下くらいの顔面の分際で早くもテングかよwww」
「純粋に顔面がC級www」
「塩対応とは言語道断」
「即刻、消えるべし!」山里かんな「ファンでした」
「鞍替えしたらしく・・」
「私に対する誹謗中傷が日増しに酷くなって」やがて、山里かんなの住所がネットでばらされる。
5chと思われる「パンゲアちゃんねる」などの掲示板でも個人情報が書き込まれている様子。
特定の手法は、山里かんなが公開した写真から特定するというもの。
写真の背景の電車の色や車種で何線か特定
↓
背景のデパートや銀行の並びから沿線の駅をしらみ潰しに調べる
↓
最寄駅を特定、というもの。
また室内で撮影した写真から、窓の外の背景を元に
マンションの近くまで特定。
それをネットに流された。
ツイッターの投稿
「山里かんな発見wwおつとめ品買っててワロタwww」ついに山里かんなは引っ越しをする事に。
しかし、過去のブログなどから地元や出身校が特定される。
卒業アルバムからと思われ、住所や電話番号、家族の名前、写真などがネットで公開されてしまう。
母や姉のSNSも調べられる。
母はTV局のアナウンス部に就職が内定していたものの
大学時代のキャバクラ勤務、男遊びの写真などが流出し
そのアンチ(ファン)がTV局に情報を渡し、内定を取り消されてしまう。ニュース番組の映像。
「GDO44前島痲波 突然の卒業」母親は父の会社の同僚と不倫関係にあり、そのことをブログに書いていた。
山里かんな「母はネットに対する意識が低く」
「同世代の知り合いはネットに疎いのでどうせ見られる事はないだろうと」
アンチ(ファン)はこの情報を父親の会社のHPの掲示板に貼りつける。
これが問題となり不倫相手の奥さんから慰謝料を請求される事に。
さらに、このことから父親がビルから飛び降り自殺をはかり意識不明。
母親は離婚し音信不通、姉には兄弟の縁を切られてしまう。山里かんなに対する誹謗中傷や数々の情報流出に対して、
事務所は最初こそ「守る」と言ったものの、トラブルに巻き込まれたくないという
事から活動休止を提案。そして体よく解雇。現在、山里かんなは父の医療費を稼ぐために週5日風俗で働いている。
警察にも相談したが、脅迫や殺人未遂の書き込みでないので、
被害届は受理するが事件として扱うのは難しい、という対応。区の無料相談でも同様の対応をされる。
山里かんな「ここまでされるほどの事をしたのでしょうか?」
相手を殺してやりたいが、相手がだれか分からない。
どうしたらいいのか、何をすればよいのか分からない。と、「朝食会」に相談した。
※「朝食会」とは、主人公である鴨ノ目武(カモ)と島田虎信(トラ)の「復讐や」
のライバル組織。榎加世子と鶴巻裕が構成員。榎加世子「警察や法律家の人達を悪く思わないで」
「想いがあっても立場的に行動できない人もいる」
「しかるべき立場の人がしかるべき事をやっていくだけ」
「社会とはそういうものだから」
と、語った。
「朝食会」による復讐が始まる。
「外道の歌」「アイドルストーカー編」2話のストーリー
前回は被害者、依頼者である山里かんなの依頼内容はほぼ全てでした。
そして今回から「朝食会」による復讐が始まります。
「朝食会」榎加世子と鶴巻裕の打ち合わせ。
まず「アンチ(犯人)」ののアカウント(ツイッター?)と
パンゲアチャンネル(実際の5chのようなもの)での誹謗中傷書き込み
の書き方のクセから同一人物と推定。
鶴巻の「匿名の書き込みから特定できるのか?」
の問いに加世子は
(正攻法なら)弁護士を通じて「IPアドレスの開示請求を行う」
と説明。さらに
「悪質な誹謗中傷や名誉毀損のケースにおいては比較的簡単に開示請求の仮処分が下りる」
ただ、IPから辿れるのはアンチが使用していたプロバイダのみ
と解説。
次の手順としてはプロバイダ会社に個人情報の開示請求を行うが、
これが困難。裁判所命令でも取らない限り個人情報の開示はされない。
鶴巻「ネットでの中傷くらいじゃ厳しいという事か」
そこで加世子は別の施策として、プロバイダの社員を調べ上げ、弱みを握る作戦を話す。
幸い、アンチの使用していたプロバイダは社員十数人の会社でるためそれが可能であった。
そして、鶴巻がプロバイダ社員の中に借金をしている者を発見し買収を計画。
加世子は「メールアドレスのみでいい」と、ハードルを下げる事を助言。
見事にアンチのメルアドを特定し、複数の名簿業者を使い調べた所、ネット通販の履歴から個人の特定に成功した。
この情報を山里かんなに報告。アンチは「東幸則」という35歳の男だった。
提示された資料には名前、顔写真、メールアドレス。
「住所」は黒く塗りつぶされ、電話番号は下40ケタが隠されていた。
既に2週間張り込んで生活パターンを把握しており、2日後に連れて行くと提案。
山里かんなは「両手の指を全て切断…」とつぶやく。
それに加えて「東幸則の個人情報をや過去のコメントを流出させる」
これが「復讐」の内容のようだ。
山里かんなは「生理」を理由に2日後の予定を遅らせたいと言い、計画は1週間後となった。
そして3日後。
東幸則の自宅に山里かんなが現れ東幸則を暴行。
加世子に電話する山里かんな。
次回につづく。
誹謗中傷業対策コンサルタントの感想
「朝食会」は本当に有能だし便利ですよね。
もし「現実に皆さんが調査するとしたらどうなるか?」というお話なのですが、
開示請求についてはまさに書いてある通りです。
情報開示請求(発信者情報開示請求)についての説明です。
開示請求は、プロバイダ責任制限法第4条に基づく情報開示請求です。これは、インターネット上で他者を誹謗中傷するような表現を行った発信者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)について、プロバイダに対して、情報の開示を求める制度です。
一般に、インターネット上の違法な書き込みにより名誉毀損や誹謗中傷を受けた場合、そのような記事やコメントを掲示板などのサイトに掲載した人(発信者)は、被害者に対して、民法上、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。誹謗中傷等の被害を受けた被害者は、加害者である発信者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。また、書き込み内容によっては、発信者には名誉棄損罪や業務妨害罪等の刑事上の犯罪が成立します。この場合、発信者は刑事上の責任を負うことにもなります。
しかしポイントは
鶴巻の「ネットでの中傷くらいじゃ厳しいという事か」というコメントです。
まずは「発信者情報開示請求の要件による問題」です。
●権利が侵害されたことが明らかであること
一般に「権利侵害の明白性」と呼ばれる要件で、多くのケースで問題となります。
●正当な理由の存在
正当な利益が認められるのは、発信者に対する削除要請のために必要であるため、民事上の損害賠償請求権の行使に必要であるため、謝罪広告などの名誉回復の要請に必要であるため、差止請求権の行使に必要であるため、刑事告発のためなどの法的手段をとるにあたり本人を特定する必要性がある場合に認められますので、その意味では、発信者情報開示請求の制度趣旨をそのまま実現しようとする場合が、認められる典型的なケースとなります。
他方で、認められないケースとしては、私的制裁など不当な目的のために開示を受けようとする場合で、すでに賠償金が支払い済であるなど、上記法的手段をとる必要性がなくなっている場合などが挙げられます。
(ベリーベスト法律事務所 より)
このように、きちんとした理由が無ければ認められません。
そしてもう一つは「費用の問題」です。
もう一度プロ野球・井納選手の事例を紹介します。
まずは、情報開示請求は弁護士に依頼する費用がかかります。
さらに、情報開示請求の費用がかかります。この件では情報開示請求に77万円かかったそうです。
このように、一般庶民の感覚ではかなり高額な費用がかかります。
※6/11追記
しかし「外道の歌」の「朝食会」は「ボランティア」との事(渡邊先生からの補足)との事で、本当に正義の味方のような、夢のような組織ですよね。。
実際に誹謗中傷業対策業者には、5chなどの掲示板に誹謗中傷や個人情報をかかれた、ツイッターやフェイスブックに誹謗中傷や個人情報を書かれた、
という相談が多数寄せられます。
そこでお客様が相手の特定を希望した場合は「弁護士へ依頼すべき問題ということ」と「予想される費用」
を説明すると、諦める方が沢山いらっしゃいます。
ただ、5chなどの掲示板に個人情報が書かれた場合は、本人からの申請であれば削除される可能性が高いです。
ポイントは「個人を特定できる情報」と「本人からの申請」です。
「本人からの申請」といってもどのようにすればよいかわからない方も多いかと思います。
誹謗中傷業対策業者ではほぼ申請書類を代わりに作成し、あとは本人がサインし送付すれば良いだけ、という状態までのお手伝いをしています。
詳しくは誹謗中傷業対策業者にお問い合わせください。
そして、お話の感想ですが、犯人が特定されて、あとは攫ってお仕置き・・・
と思いきや、山里かんなが予想外の行動!
東幸則の写真を出された時に山里かんなが「この人知ってる!」というようなリアクションをせずに黙って
いたのが不自然だな、と思っていたのですが、なるほど、自分で復讐するつもりだったんですね。
自分で復讐できる行動力や、覚悟があるのであれば特定まで弁護士に依頼、で良いのでは?
とも思いますが、これが逆にリアルだと思います。
そもそも山里かんなは「情報開示請求」というものを知らなかった訳です。
どういう流れかはわかりませんが「朝食会」の事は知っていて「朝食会」に依頼する事で初めて
「情報開示請求」を知った。そしてこれは推測ですが、
犯人が東幸則と分かった事で「こいつ知ってる」⇒「自分の手で復讐したい」
というように変化したのかなと推測しました。
次回以降の予想なのですが、加世子は山里かんなの行動については予想していたのではないかと思います。
というのも、カモとトラの「復讐屋」ではカモとトラが手を下すのに対し
「朝食会」は依頼者が直接手を下す事が主な組織だからです。
(違うようでしたらすみません)
いずれにしても、非常に面白い作品であり、特に今回のシリーズはIT系に興味のある方に是非読んでもらいたいストーリーです。
この「外道の歌」は実写映画化が決定しており、さらに人気が出る事でしょう。
さらには「外道の歌」コミックス最新6巻が6月11日に発売となります。
お勧めです!
なんと渡邊ダイスケ先生から補足のコメントを頂きました!
渡邊先生、ありがとうございます!
ありがとうございます。
1つ付け加えると加世子は依頼人から金銭の報酬を受け取っていません。完全にボランティア活動でやってます。なので依頼人からすると弁護士に頼むより朝食会の方が金銭的に負担が少ないという事です。— 渡邊ダイスケ「外道の歌」連載中 (@daisukoi) 2018年6月11日
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