タグとタグ、ホントの意味の違いとSEOにおける違いとは?
strongタグとbタグのホントの意味の違いとSEOにおける違いとは?【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]
あなたはタグとタグの違いを知っているだろうか。
「タグは太字表示でしょ」というあなたの知識は古い。最新のHTML定義でどうなっているか把握したうえで、SEO観点からの取り扱いも把握しておこう。
タグとタグのグーグル検索での扱いの違いについて、グーグルのリッジィ・サースマン氏が、2023年3月の英語版オフィスアワーで次のように説明した:
「タグもタグもテキストが重要であることを明確にする方法です。でも、同じではありません。
タグは、事実上、もっと極度に重要で、緊急で、深刻な場合に使うべきです。たとえば警告です。
(違いを)覚えるための方法として私が好きなのは、タグは太字装飾よりも強いということです。」
まず仕様としての定義からみていこう。
タグもタグも、(CSSで調整していない限りは)どちらも多くのブラウザではたいてい太字で表示される。見た目に違いはない。しかし、HTMLのセマンティック観点からは意味が異なる(引用部分はMDNの解説):
タグ ―― 内容が重要であることを示すもの
「: 強い重要性要素HTML の強い重要性要素 () は、内容の重要性、重大性、または緊急性が高いテキストを表します。ブラウザーは一般的に太字で描画します。」
タグ ―― 読み手の注意をひきたいが意味的に重要性があるわけではないもの
「: 注目付け要素
HTML の注目付け要素 () は、要素の内容に読み手の注意を惹きたい場合で、他の特別な重要性が与えられないものに使用します。」
※以前のHTMLではは「表示を太字にする」ための要素だったが、現在は上記のとおり。
MDN上でもとの区別について次のように解説している。
「新しい開発者をよく悩ませることが、ウェブサイトの表示において同じことを表現するために、なぜたくさんの方法があるかということです。 と はもっともよくある混乱の源で、開発者に「 と のどちらを使えばいいんですか? どちらも同じことをするんでしょう?」という疑問を起こします。
それは正しくありません。 要素はより高い重要性を持つコンテンツのためのものであるのに対し、 要素はより重要であるという意味なしに、テキストに注意を引かせるために使用します。
HTML5 ではどちらも有効で意味のある要素であり、ほとんどのブラウザーでは、同じ既定のスタイル (太字) が使用されていることは間違いありません (ただし、古いブラウザーの中には に下線を引くものもあります)。それぞれの要素は特定の種類のシナリオで使用するためのものです。単に装飾のために太字のテキストを使用する場合は、代わりに CSS の font-weight プロパティを使用してください。
囲まれたテキストの意図された意味または目的によって、使用する要素を決定してください。伝えられる意味がどのような意味であるかがすべてです。」
こうした違いがあるので、「意味的に強調したい場合にはタグを用いるべき」だとサースマン氏は述べているのだろう。
次に、グーグルのことを考えていこう。
もう10年近く前になるのだが、当時グーグルの検索チームで働いていたマット・カッツ氏は次のようにコメントしていた:
「ランキングや評価、インデックスなどそういったものにおいてはタグもタグもまったく同じように(グーグルは)扱っていた。
同様にタグと斜体を示すタグもまったく同じように扱っていた。どちらを使ってもグーグルのランキングには違いを生まない
一言で言ってしまうと、(どのタグを使うべきかは)気にしなくていい。僕が知る限りでは、タグとbタグ、タグとタグをグーグルは等しく扱う。
意味的なことを考慮して使い分けるなら、それはもちろん構わない。だけどどちらでもグーグルは気にしない。」
つまり、次のタグに対するグーグル検索の扱いは同じだというのだ:
タグ と タグ
タグ と タグ
ただし、先にも言及したように10年近く前の情報だ。現在は扱い方が変わっているかもしれない。少なくとも、強調タグはSEOに役立つのは確かなことだ。とはいえ、どう役立つのかは、あなたがイメージするものとは違うかもしれない:
× 上位表示に効果がある ←この効果は期待できない
○ ページの中で重要な部分をグーグルが把握する手助けになる ←この効果を期待する
詳細は過去記事を参照してほしい。
なんにせよ、タグとタグ、そしてタグとタグに関しては、上位表示に役立つかどうかで使い分ける必要はない。それぞれのタグが持つ本来の意味と目的に応じて使い分ければいい。
SEOコンサルタントのまとめ
【タグとタグの本当の意味の違いとSEOにおける違い】
▼「タグ」
・・・内容が重要であることを示すもの。
は極度に重要で、緊急で、深刻な場合に使うべきもの。たとえば「警告」。
▼「タグ 」
・・・読み手の注意をひきたいが意味的に重要性があるわけではないもの
※ただしGoogleはGoogle検索の扱いは同じだと10年前に言っています