コンテンツが隠れている展開型デザインはSEOにマイナスなのか?
【衝撃】Search Consoleでクエリを調べられるのは検索トラフィックの約半分だけだった!?【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]
初期状態ではページ上に表示されておらず、クリックやタップで展開して表示されるコンテンツは、無視されたり重要度を下げられたりする。
こうした問題は、今は(さほど)気にしなくていいようだ。
7~8年前まではグーグル検索でこうした状況が発生することがあった。しかし今はそういったことはない。隠れているコンテンツであっても、きちんと評価対象になる。
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、Search Off the Record(サーチ・オフ・ザ・レコード)ポッドキャストで説明した。
※筆者補足: Search Off the Recordは、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏、マーティン・スプリット氏、リッズィ・サースマン氏、ジョン・ミューラー氏らが検索の仕組みや裏側を音声で配信するポッドキャストシリーズ。
グーグルの何らかのガイドラインでは、今でも「展開型のデザインを使わないように」としているようだ。しかしイリェーシュ氏によれば、現在は初期状態で見えないコンテンツであっても、見えるコンテンツと何ら変わることなく認識されるとのことだ。しかも、検索にマイナスな影響は与えないのだという。
UXと検索の流れで語られたことだ。ナビゲーションメニューに非常に多くの項目があっても、あらゆる項目を初期状態で見せるべきなのかといった問題提起があり、そこで、ガイドラインでの説明に話題が飛んだ(後半の20分前後から)。
(イリェーシュ氏)
初期状態で隠すのが駄目だという理由が(今は)思いつかない。今は隠れていても検索に出てくるし、ガイドラインでそんな風に記載している理由がわからない。
(サースマン氏)
ガイドラインの記載は「大丈夫だけど、好ましくない」というものだった。
(イリェーシュ氏)
おかしな説明な気もする。大規模ECサイトだと、ナビゲーションに何段階もあり大量のリンクを含む場合もある。初期状態でそれを非表示にしなかったら、サイトが使い物にならなくなる。そんなサイトが良いはずがない。
(スプリット氏)
ページで表示されていない内容は、見える状態のものよりも重要度が少し低いと判断するような処理は?
(イリェーシュ氏)
もう今はやっていない。
昔はそういった処理があったが、今はない。
(スプリット氏)
知らなかった! すばらしい!
サイトによっては、展開型のデザインが最適なこともある。たとえば、アマゾンには非常に多くのカテゴリが存在する。すべてのカテゴリをナビゲーションメニューに最初から表示していたら、スクリーンに収まらないかもしれない。ユーザー体験を考慮すれば展開式がふさわしい。
一方で、初期状態で非表示になっていると、検索からやってきたユーザーが目的としていた情報をすぐに見つけることができずユーザー体験を損ねるかもしれない。量がさほど多くないのであれば、初めから見せていたほうが親切な場合もある。
ようするに、展開型のデザインを採用するかしないかは、それぞれのサイトの状況に応じて判断したい。
注意してほしいのは、展開につかう仕組みだ。
クリックやタップなどのユーザーのアクションによってXHR(Ajax)でサーバーから別途コンテンツを取得したり生成したりする場合は、そのコンテンツをGooglebotは認識しない。Googlebotはクリックやタップをしないからだ。
ページ上では見えていなかったとしても、ページを表示した段階でHTMLコードにはすでに存在しなければならない。
この点に気を付けさえすれば、展開型デザインは検索には何ら問題ない。ユーザー体験視点で、採用の可否を決定すればいいということのようだ。
対話のなかででてきた「ガイドライン」がどの記載なのかまでは確認できていないが、こうした情報を公式に整理してくれると非常にありがたい。
SEOコンサルタントのまとめ
■イリェーシュ氏
「現在は初期状態で見えないコンテンツであっても、見えるコンテンツと何ら変わることなく認識される」
「検索にマイナスな影響は与えない」
<コンテンツが隠れている展開型デザインについて>
■スプリット氏
「ページで表示されていない内容は、見える状態のものよりも重要度が少し低いと判断するような処理は?」
↓
■イリェーシュ氏
「もう今はやっていない。昔はそういった処理があったが、今はない。」
▼「目次」など、隠れているコンテンツについて以前Googleは「重要なコンテンツなら表示させておくべき」と言っていました。しかし現在はそんなこと無いようです。
ただ、ユーザー体験については考慮したほうが良いですね。