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“購入決定”はAIチャットの中で起きている

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“購入決定”はAIチャットの中で起きている、AIが築く新たなカスタマージャーニー

生成AIトラフィック、実は低CVR? LLMによる購入決定の効果測定はまだ厳しいか【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]

ChatGPTなどのAIチャットがオンライン購買に与える影響の調査データをもう1つ。AIトラッキングツールを提供するProfound(プロファウンド)が1,600人の消費者を対象に調査したものだ(2,739人の対象からスクリーニング)。

この調査から得た重要な発見を、プロファウンドのジョシュ・ブリスカル氏がリンクトインに投稿している。要点は次のとおりだ:

▼AI利用率は高い ―― Instant Checkout(※後述)の導入前にもかかわらず、回答者の58%が過去1週間以内にAIツールを買いものに利用していた。

▼チャット内での意思決定 ―― AIユーザーの46.4%は、他のサイトを訪問せずにAIとの会話中に購入判断を完了している。これにより、追跡不能なコンバージョンが発生している。

▼AIの意思決定への関与 ―― 購入者のうち79.7%が、購買判断プロセスの少なくとも半分をAIが担ったと回答している。

▼影響度とコンバージョンの相関 ―― 購入プロセスへのAIの影響が80%以上あった場合、85.9%が購入を完了した。一方、影響が20%にとどまった場合の購入率は32.6%に低下した。

▼従来型検索からの移行 ―― AIとのやり取り後、グーグルを訪れたのはわずか24.2%であり、大多数は購入チャネルへ直接進んでいる。

▼購入経路 ―― 20.3%がアマゾンへ、18.6%がブランド公式サイトへ、15.1%が実店舗へ進み、AIが意思決定から購入までをつなぐ役割を果たしていることが示された。

▼購入意欲者の障壁 ―― 14.5%は購入準備ができていたがチェックアウトできず、14.2%は価格や在庫のリアルタイム情報を必要としていた。これらの制約はChatGPTのInstant Checkout機能により緩和されつつある。

▼見えないアトリビューション ―― 実際の購入は直接流入やプラットフォーム広告に起因すると誤認されがちだが、決定的な購買判断は分析ツールの見えないAIチャット内で起きている。

▼顧客行動の再定義 ―― データは、AIが検討から購入までを導く新しい購買経路を構築しており、消費者行動とマーケティング評価の在り方を根本から変えつつあることを示唆している。

1つ前のピックアップで、「LLMからのトラフィックはコンバージョン率が低い」ことを示す調査データを紹介した。一方、ここで紹介した調査では「オンラインでの購買にLLMが大きな影響を与える」ことが判明した。

相反する結果に思えるが、筆者は次のように考える:

▼LLMからの直接のトラフィック(ハンブルグ大学のカイザー氏らの調査でいうoLLMトラフィック)がそのまま購入に至るパターンは少ない

▼LLM(AIチャット)で情報収集したうえでユーザーは購入決定し、その後アマゾンやそのブランドの公式サイトにあらためて訪問し、そこで購入を完了する

つまり、AIチャットからのトラフィックはダイレクトには購入には結び付かないのだが、購入決定を強く後押ししている可能性が高い。間接的なコンバージョン、いわゆるアトリビューションに寄与していそうだ。だが、そのアトリビューションを追跡することは現状では容易ではないという問題がつきまとう。

なお、ChatGPTを提供するOpenAIはInstant Checkout(インスタント チェックアウト)という機能の提供を開始した。これは、ChatGPTを離れることなくChatGPTとの会話の中で商品の購入まで完了できるという機能だ。ShopifyやPayPal、Walmartなどがサポートを始めている。インスタント チェックアウトが本格的に導入されればChatGPTのコンバージョンが増加する未来もありえる。

SEOコンサルタントのまとめ

[Web担当者Forum]
チャット内での意思決定 ―― AIユーザーの46.4%は、他のサイトを訪問せずにAIとの会話中に購入判断を完了している。これにより、追跡不能なコンバージョンが発生している。
【白石】AIチャットが、購入の後押しをしていることが伺えます。
たしかにAIに聞いて何かを決めるということが多くなってきました。

  • B!