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検索エンジン向けサイトマップがSEOに逆効果になる可能性があるという説明

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検索エンジン向けサイトマップがSEOに逆効果になる可能性があるという説明

株式会社JADE辻正浩氏の記事です。

検索エンジン向けサイトマップはSEOに逆効果になる場合もある

検索エンジン向けサイトマップはSEOに逆効果になる場合もある[株式会社JADE]

一般的にはXMLサイトマップはSEOのベストプラクティスとして扱われています。しかしそれは正しい認識ではありません。必ずしも全ての環境でのベストプラクティスではないのです。XMLサイトマップを無配慮に公開することは、SEO上のデメリットになりえます。
実際、私たちが特定サイトのSEOのアドバイスに入る際、既に公開されているXMLサイトマップを撤去していただくことが少なくありません。そして多くの場合ではそれによってサイトの検索性は改善されます。

Googleの説明するXMLサイトマップの必要性

Googleは、そのヘルプセンターの中で「次の場合は、サイトマップは必要ありません。」として下記のように記載しています。

●サイトのサイズが「小さい」。 サイトのページ数がおよそ 500 ページ以下の場合にサイズが小さいと考えます。検索結果に表示する必要のあるページのみをこの合計ページ数に加算します。

●Blogger や Wix のようなシンプルなサイト ホスティング サービスを利用している。フォーマット済みのページやナビゲーション要素でサイトをすばやく設定できるサービスを利用している場合は、自動的にサイトマップが作成されますので対応は必要ありません。利用しているサービスのドキュメントで「サイトマップ」という単語を検索し、サイトマップが自動的に生成されるかどうかを確認します。または、自分でサイトマップを作成することが推奨されていないか確認します(その場合は、お使いのホスティング サービスでのサイトマップ作成方法を確認します)。

●サイトはサイト内で完全にリンクされている。 Google がホームページからリンクをたどって、サイト内の重要なページをすべて見つけられることを意味しています。

●インデックスに表示する必要のあるメディア ファイル (動画、画像)またはニュースページが多くない。サイト内の動画ファイルや画像ファイル、ニュース記事を Google 検索結果に表示したい場合、サイトマップがあると Google がそれらを探して理解するうえで役立ちます。画像、動画、ニュースの検索結果に表示する必要がない場合、サイトマップは必要ありません。

サイトマップについて – Search Console ヘルプ

この説明に沿いますと、非常に多くのサイトはXMLサイトマップが不要ということになるでしょう。

私はこのアドバイスに同意します。確かにGoogleが不要と説明するようなサイトでXMLサイトマップを導入したことで明確にGoogleのSEOでプラスとなった事例はここ数年は確認していません。

数年前でしたら十分に価値はあり得ることでしたが、検索エンジンの性能が進化したいまでは、世の中の多くのサイトでは設置を行う必要はないのです。

では、こちらに該当しないサイトではどうでしょうか。私はそのようなケースでもXMLサイトマップを活用するべきケースは珍しいと考えます。

XMLサイトマップのSEOの効果

GoogleBotクロールの推薦
XMLサイトマップには特定ページが検索されるようになる(以後「indexされる」といいます)の早期化・安定化の効果があります。これが最大のメリットとして見られる場合が多いでしょう。
確かにXMLサイトマップ記載URLは、未記載URLよりもGoogleBotの訪問が早く、多い傾向があります。サイトによっては通常ではindexされるまで数時間~数日かかるページでも、XMLサイトマップを適切な形で導入することで数十秒~数分でindexされる場合もあります。またの適切な設定で、大規模なサイトにおいては更新された情報を早々に検索エンジンに認識させることも可能です。
「公開したページを一刻も早くindexさせたい場合」「毎日大量にページを公開している巨大サイトで何もしないと新規URLを検索エンジンに発見されづらい場合」などではXMLサイトマップは有効な場合も多いです。

クロール動線の無いURLをindexされるようにする
Googleなど検索エンジンは、基本的に他ページからのリンクをたどって未発見URLを発見します。ただサイトの要件上、どうしても検索エンジンが辿れるようなリンクを配置できない場合があります。
XMLサイトマップには、そういうケースでもページをindexさせる効果があります。

重複コンテンツ発生時の正規URLの推薦
同じ内容のページは通常のWeb運営においても発生するものですが、検索エンジンはそのうち一つだけを評価対象として、残りを検索結果から除外するようにしています。いわゆる重複コンテンツです。その評価対象とするべき主なURL、正規URLを発見するために検索エンジンは様々な情報を参考にします。そのうちの一つの評価基準としてXMLサイトマップが使われています。
正しくXMLサイトマップを記載することで、重複コンテンツにより発生するリスクを軽減することができます。

特殊なページの認識
XMLサイトマップにはURLの場所のみではなく様々な情報を付与できます。それによって、多言語・多地域向け情報、ニュース記事、動画、画像など特殊な情報を検索エンジンに正しく伝えることができます。

XMLサイトマップのSEO上のリスク

しかし効果があることは、検索エンジンに影響を与えているということです。その影響によっては必ずしもプラスに限定されません。
前項で説明した利点は、そのままリスクになり得るのです。
GoogleBotクロールの推薦→クロールの偏りに繋がる
検索エンジンは非常に高度なアルゴリズムでどのURLをクロールするか決定しています。XMLサイトマップは、その高度なアルゴリズムに対して影響を及ぼすものです。

クロール動線の無いURLをインデックス化→評価されないURLを放置することに
クロール動線の無いURLを検索エンジンに伝え、indexさせることはXMLサイトマップの効果です。
それは、どこからもリンクされていないページを検索対象にするということです。これは問題にもなりえます。

しかしXMLサイトマップを記載していた場合は、本来そのページに価値を与えるリンクが無い状態でも検索対象としてしまいます。そのページは検索競合が存在しない検索語句での流入を取れる場合もあります。ただ一般的なキーワードでは上位表示は困難です。
通常ではindexされないページをXMLサイトマップで無理やりindexさせる事は、評価されないページを増やす結果につながる場合があります。そして、その改善の糸口もわかりづらくしてしまうのです。

重複コンテンツ発生時の正規URLの推薦→誤った記載により致命的な問題になりえる
先にも記載しましたとおり、検索エンジンは重複コンテンツを発見するために様々な内容を利用します。その評価基準の一つとなるXMLサイトマップに正しく正規URLを記載することで、より望ましい形でページを検索エンジンに認識させることができるでしょう。

XMLサイトマップが不要なサイトと必要なサイト

WordPressや(私も開発に関わっております)はてなブログなど安定したXMLサイトマップ生成システムが備わっているサービスでは、XMLサイトマップを公開したままにすることでマイナスはありません。
ただ、完璧な内容を作ることができないのであれば、XMLサイトマップ公開を控えることを私はおすすめします。

XMLサイトマップが必要なサイト

●巨大サイトで毎日数千~数万以上のURLが更新され通常の方法では検索対象にならないページがあり、通常のサイト改善ではindexさせられないサイト
●画像、動画、ニュース、多言語など、XMLで検索エンジンに伝えるべき特殊な情報を多く持つサイト
●Bingや百度、YandexなどのようにXMLサイトマップが無いとindexの問題が起きがちな検索エンジンからの集客が必要なサイト

SEOコンサルタントのまとめ


知識が浅い方は「XMLサイトマップを作ればSEO効果が上がる」と考えている方も多いかと思います。
しかし単純にそういう事ではありません。
中途半端な知識で中途半端なサイトマップを作るとかえってSEO的にマイナスになってしまう、ということですね。

  • B!