Googleレンダリングの都市伝説: JavaScript SEOの誤解と対策
Googleレンダリングの都市伝説: JavaScript SEOの誤解と対策【SEO情報まとめ】[Web担当者Forum]
「グーグルのレンダリングは、現代のウェブにとって素晴らしい性能を発揮する」
グーグルのゲイリー・イリース氏がこんな誇らしげなコメントをリンクトインに投稿した。
その理由となった記事を紹介する。インデックスの段階でグーグルがJavaScriptをどのように処理しているかを検証した、Vercel(ヴァーセル)の記事だ。
JavaScriptを多用するウェブサイトをグーグル処理する方法について、いくつかの一般的な誤解(都市伝説)があるとして、ヴァーセルの記事は異議を唱えている。広範な調査とデータ分析を通じて、次の誤解を解明した:
▼誤解①「GoogleはJavaScriptコンテンツをレンダリングできない」
調査によると、JavaScriptコンテンツをグーグルが効果的にレンダリングしてインデックスできることがわかった。次のようなコンテンツでも問題なかったという:
・複雑なシングルページアプリケーション(SPA)
・動的に読み込まれるコンテンツ
・ストリーミングコンテンツ
など▼誤解②「GoogleはJavaScriptページには静的ページと異なる扱いをする」
JavaScriptを多用するページであっても、静的なHTMLページと根本的に異なる方法でグーグルが処理しているわけではないことを、調査結果が示している。
▼誤解③「レンダリングキューとタイミングがSEOに大きく影響する」
レンダリングキューは存在するが、その影響は以前考えられていたほど大きくない。ほとんどのページは数分以内にレンダリングされる(数日~数週間かかることは、ほぼない)。
▼誤解④「JavaScriptを多用するサイトはページ発見されにくい」
調査によると、SPAを含むJavaScript多用サイトであっても、グーグルによるページの発見において本質的に不利ではなかった。
この調査では、グーグルのレンダリングプロセスに関する貴重な洞察を得られている。元記事では、そうした情報を元に、開発者やSEO担当者に次のような推奨事項を提示している:
▼JavaScriptを活用する ―― JavaScriptフレームワークを活用してユーザーエクスペリエンスを向上できるが、パフォーマンスを優先し、グーグルのベストプラクティスに従う。
▼重要なSEO要素を優先する ―― サーバーサイドレンダリングや静的生成を使用して、重要なSEOタグやコンテンツを提供する。
▼リソースの可用性を確保する ―― レンダリングに必要な重要なリソースがrobots.txtによってブロックされないようにする。
▼コンテンツの更新を戦略的に処理する ―― 迅速な再インデックスが必要なコンテンツについては、サーバーレンダリングされたHTMLに変更が反映されるようにする。
▼内部リンクとURL構造を最適化する ―― 明確で論理的な内部リンク構造を作成する。重要なナビゲーションリンクは実際のHTMLアンカータグとして実装する(JavaScriptリンクではなく)。
▼サイトマップを活用する ―― 大規模なサイトや頻繁に更新されるサイトでは、サイトマップを使用する。サイトマップは定期的に更新する。
▼監視と検証 ―― Google Search Consoleを使って、Googlebotがページをどのように認識しているかを確認し、クロール統計を監視する。
JavaScriptを多用するページをグーグルが効果的にレンダリングできるのは、事実だ。しかし元記事では、「そのプロセスはより多くのリソースを必要とすることも念頭に置く必要がある」と注意を促している。アプリケーションのパフォーマンスを最適化し、不要なJavaScriptを最小限に抑えることが重要だというのだ。なぜなら、そうすることにより、クロールの効率が上がり、より多くのページがクロール・レンダリング・インデックスされる可能性があるからだ。
とはいえ、グーグルのレンダリングプロセスは今や特段意識すべきものではないとしたうえで、記事では次のように結論付けている:
「開発者は、「グーグルのレンダリングプロセスに特別な配慮をする」ことに工数を割くよりも、「ユーザーにとって有益で体感速度も良好なWebアプリケーションを作る」ことに注力すべきである。
なぜなら、ページ表示速度は依然として重要なランキング要因であり、パフォーマンスを優先することで、より良いユーザーエクスペリエンスとSEOの改善につながるからだ。」
SEOコンサルタントのまとめ
■Google ゲイリー・イリーシュ氏[Web担当者Forum]
JavaScriptコンテンツをグーグルが効果的にレンダリングしてインデックスできる
次のようなコンテンツでも問題無い
・複雑なシングルページアプリケーション(SPA)
・動的に読み込まれるコンテンツ
・ストリーミングコンテンツ